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有夢のオリジナル小説を置いてます。是非、観覧してください。
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全て失った

そう、私が祝われるべきあの日に

地には血、そして人

そこに立っていた人物は紛れもなく私の父親だった

泣いて

泣いて

その現実を否定したかった

「嘘」だと思った

思いたかった

でもそれは「過去」

もう戻ることの無い「過去」

変えることの出来ない「事実」

大切だった

皆との時間が

今はもうそれは「思い出」

悲しくて

悲しくて

沈んで

沈んで

その繰り返し

私を、支えて

 

顔がどうしても冴えない。ルナは小さく溜息を吐いた。
見てしまった。一番見たくなかった夢を。
周りは緑に囲まれ、聞こえるのは森の声に小鳥の囀り。
ルナはある少年の姿を探した。寝る時まで一緒だった人物の姿がない。
「どこに行ったんだろう・・・?」
ルナはゆったりと起き上がり、彼を探しに歩き始めた。

 
森を歩き回って10分―奥にある湖に着いた。
そこはとても広く、中間地点のところに長い橋がかかっている。橋の上に人影が見えた。
―リュークだ。
私は急いで彼の方向に駆けて行った。
何で走って行ったのかはよく分からない。
彼は動いていないのに、歩いていればいずれ傍に行ける筈なのに。なのに足が無意識に急かしていく。
ある程度の距離まで行くとリュークはルナの存在に気付いた。そして、ルナは徐々に速度を落としていき、やがて止まった。
「ここに居たんだ。」
リュークは水面を見つめ、素っ気無く「ああ」と返した。ルナはリュークの隣にちょこんと身を置き、「何をやってるの?」と何気に言ってみる。
「・・・ただ、水は何で零れ落ちるんだろうと思っただけだ。」
ルナは黙ってリュークの言っている事に耳を傾けた。
するとリュークはくるっとルナの方を向いた。その真剣な眼差しはとても綺麗な光を放っていた。
「私の、大切なものはこの水みたいに・・・零れ落ちていくのかな?」
次の瞬間、身体に温もりがかかった。
リュークの吐息が耳にかかる。顔が、体が、急激に熱くなっていくのが分かる。
彼の顔は、見えない。
「・・・リュ、ク・・・?」
上手く名前を呼ぶことが出来ない。胸のドキドキが鳴り止まない。
「・・・俺が、受け止めてやる・・・」
リュークが耳元で小さく、低く語りかけ、先ほどよりも抱きしめているその腕に力を入れた。
「俺が、お前を支えてやる」
胸に明かりが灯った。
ルナは彼の背に腕を回し、静かに目を閉じた。
私は、一人じゃないんだ――

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» この小説について
Date : 2008.03.07 [Fri]
有夢 Edit
えっと、この小説は以前のサイトの500HIT記念小説でしたー(・・・
桃月さんがリクエストしてくれたものでしてね
ここに載せちゃいましたけど・・・・orz
でも消しちゃうのって勿体無いじゃないですか!!
せっかく書いたのに!!
でもちょっと文章の書き方が違うね
だって半年前くらいじゃないですか??(聞くな
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